風と木の詩
噂どおり名作でした。流石竹宮恵子先生、
以下ネタばれ含む感想
大人になることが出来ない天使と愛し合い生きた、
あまりにも短く儚い青春の日
ジルベールはきっと最後まで生きることのできない子。なんとなく結末は予想できました。
ルノーが「生きるには不適切な子」と言うように、異常なまでに無垢にまっすぐ育ってしまった子供だったため現実の社会では生きていけない。ジルベールはあんな子でしたが、オーギュが言うとおりあの子ほど無垢で植物の様にまっすぐ育った子はいないと思おいます。その反面、温室から出て現実という強い厳しい光を浴びると枯れてしまう、温室からいつまでも出られないから大きくもなれない。死ぬしかなかったジルベール。あのままオーギュに飼われていれば、セルジュと学校で暮らしたような幸せな時間は来なかったけれど、苦しみながら死ぬことはなかったかと・・・。オーギュを裏切りセルジュを選んだのにオーギュの幻想を追いかけて馬車に轢かれ、オーギュのもとにいたころ思いながら死んでいったジルベール。結局は遺体になってオーギュのもとに帰ってくる。死んで二人とも手に入れた。悲劇的な結末だけれども、セルジュとオーギュの二人のもとに死という形で永遠に留まることのできたジルベールは幸せだったと思います。
ジルベール・コクトー わが人生に咲き誇りし最大の花よ
遠き青春の夢の中 紅々と燃え上がる紅蓮の炎よ
きみはわがこずえを鳴らす風であった
風と木ぎの詩がきこえるか 青春のざわめきが
おお 思いだすものもあるだろう
自らの青春のありし日々を
この最後のセルジュの詩が大好きです。まさに「風と木の詩」という物語だったと思います。アニメ版だと一番初めにこの詩が出てきて、大人になったセルジュがジルベールとかつて共に過ごした17号室を訪ね「帰ってきたよ、ジルベール」というところから始まるそうです。
明るい話ではないので、人にあまり勧められないけれど、名作中の名作かと。
でもちょっと性描写が多すぎ、というか「ジルベール下を穿け」と何度思ったかww

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- 2010/03/04(木) 11:44:41|
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