J・D・サリンジャー氏
亡くなられたんですね・・・・・・
今朝寝ぼけ眼にこのニュースがテレビから流れているのを聴いて飛び起きました。
高校時代に『ライ麦畑でつかまえて』を読みました。
その時自分は16歳、主人公ホールデンも16歳。今まで読んだどの本より印象に残っています。このブログ名の由来にもなってます。
あらすじは高校を中退した主人公ホールデンがニューヨークを彷徨うというストーリです。
ホールデンのインチキな社会や人、汚いものへの不平や嫌悪や不満、その一方での綺麗なものへの強い憧憬。この年頃の少年少女の多くが出会う感情なのではと思います。だから若者の絶大な人気を集めたんでしょうね。
友人に話しかけるような独特な文体も印象に残っています。文中に何度も出てくる‘キミ’という読み手への呼びかけの単語。まるで友人に話しかけるような語りでホールデンがすぐ近くにいるような、または一緒になってニューヨークを彷徨っているような不思議な感覚になったのを覚えています。
中でも大好きなシーンが二つあります。ひとつはこっそり夜家に帰ったホールデンがベッドの上で妹とダンスを踊りお話をするところです。その時妹フィービーに語った「ライ麦畑の捕まえ役」というホールデンの夢。綺麗で純粋で優しい夢。
もうひとつはラストのメリーゴーランドで回るフィービを見てどしゃぶりの雨の中、ホールデンが大声で叫びだしたいくらい幸せを感じるところです。このシーン土砂降りの雨なんですけど、読んでいて雨の温かさと雲の向こうにある太陽の光を少し感じたのを今でも覚えています。その次のシーンで主人公は精神病院ですが、、、
実は本は嫌いです。活字見るとイライラします。自分の頭悪いから。でも、ごくたまにすごくいい出会いがあるのが悔しいです。その最高の出会いが『ライ麦畑でつかまえて』です。
16歳の私なんて、ホールデンほど綺麗なものに憧憬もしていなかったし潔癖でもなく、きらきら輝く青春を謳歌する乙女ではなかったです。そのどってことない16歳の自分がこの本のなかにまだいる気がします。冷凍保存的な感じで。心に残る本というより、心が残った本?
もし「これから家を離れ、どこか遠くに行くとしたら、君はどの本をもってく?」と聞かれたらこの本です。この出会いに感謝。
勝手ながらホールデンは自分の友人だと思っています。あはは
でも不思議ですね。そう思っている人が世界にはとても多い
まさに読んだ人の心に残る不朽の名作
愛すべき友人ホールデン・コールフィールド
どうか安らかに、サリンジャー氏。本当にありがとう。

PR
- 2010/01/29(金) 11:37:18|
- 小説|
-
トラックバック: |
-
コメント:0